『怪人21面相』の前に『三億円事件』を観てください

観てください!!!https://www.xcream.net/item/11849

以上終わり解散!!でもいいんですが何が何やら分からないと思うので説明します。

三億円事件』はパラドックス定数という劇団が2008年に上演した演劇です(公式HP)。タイトルからも分かるように、1968年に起きた三億円事件が題材となっています。

舞台は時効成立三ヶ月前、諦めムードが漂っている府中署。そこで刑事八人が衝突したり協力したりします。以下主な登場人物です。

 

ずっと事件を追っている所轄の四人

・とにかく声がデカい馬見塚係長

・飄々としてるようで実は人情深い高瀬巡査部長

・口は悪いが何かと気苦労が多い華山巡査部長

・本庁に戻りたがっている天本巡査部長

 

本庁からやって来たどこかいけすかない四人

・尻拭いに納得がいっていない荻荘警視

・元機動隊の古城巡査部長

・胡散臭さが漂う白砂警部補

・白砂の部下である宮内巡査部長

 

この八人の人間関係が変化していく様子がめちゃくちゃ面白くて。中盤辺りから白砂と宮内という本庁の二人にスポットが当たるんですが、この二人が本当にもう……何て言ったらいいのか……。守りたい上司と守られたくない部下、みたいな感じでメッキが剥がれていく様子がとても面白いです。全然関係ないけど白砂と宮内と古城の同僚感がリアルで好き。

 

パラドックス定数の演劇には「権力」という言葉がよく出てくるんですが、その権力をどう思ってるかにその人の人間性が現れるような気がします。「権力という暴力」というチラシの言葉通り、自らが持つ権力(暴力)とどう向き合うのか(あるいは向き合わないのか)がめちゃくちゃ面白いなと思います。

 

三億円事件』は人間の関係性が好きな人も、実在の事件を元にした作品が好きな人も楽しめる演劇だと思います。また、『三億円事件』と『怪人21面相』はセットの作品といってもいいんですね。なのでぜひこの作品を観たあとは『怪人21面相』も観てほしいなと思います。

『三億円事件』観てね!!