上田早夕里「夢みる葦笛」
文章が説明的すぎる気がした。設定は面白いのにもったいない。会話文の不自然さも気になった。キャラクターがセリフを言わされてる感がある。あと、作品のテーマはそこまでの展開で十分伝わってるので、わざわざ文字にしなくていいと思う。……何か文句ばっかり書いちゃったけど土着ホラー感のある「眼神」とか、きな臭い時代が舞台の「上海フランス租界チジロ三〇二号」はかなり好きだった。
上田早夕里「破滅の王」
長編ならまだ説明的じゃないかな……と思ったけどそんなこともなかった。こういうもんだと割り切るしかないのかな。真木須博士云々のところは完全に「私は好きにした、君らも好きにしろ」だった。
G.ローデンバック「死都ブリュージュ」
町の描写が最高すぎる。陰鬱な気分がそう見せているのか、灰色の町が影響を与えているのか。そこのところをもう一回読んで確かめたいけど、返却期限が迫っているので返してきます。
山之口洋「オルガニスト」
めちゃくちゃに面白かった……!!題名がぴったりすぎる。テーマはちゃんと伝わってくるのに一切説教臭くない。音楽やってる人ならもっと楽しめたんだろうなと思う。それが悔しい。