一月二十四日(日)

九時に目が覚めるけど眠すぎて布団の中でどう森をする。デッドラインの九時半にようやく起き出し、朝ごはんを食べる。顔洗って歯磨いて着替えてもなお眠い。電車を一本遅らし、早歩きで駅に向かう。電車から降りて改札を出ると、お店の前に張り紙がしてあった。中に入ると、本棚の前に設置してある箱の中からぶつぶつ呟く声が聞こえてきた。一瞬録音した音声を流しているのかなと思ったけど、確かに箱の中に誰かいるようだった。ベルを鳴らすと「ベルをありがとうございます」と返ってきた。思わず笑ってしまう。店の人といろいろ喋っている間にも、箱男はずっとぶつぶつ言っている。声が通っててすごい上手。よく聞いてみると本の話とか、自分の話をしているみたいだった。時々「今マフラーを取りました」「この中は暑いですね」「厚着をしてきたのが悪いんです」とか聞こえてくる。大丈夫かな。何冊か本を買って清算してもらう。店の人まで「ベルをありがとうございます」と言うので楽しくなる。起きたときは眠すぎてやめようかと思ったけど、行ってよかった。店の横のパン屋さんで昼食を買い、家に帰る。